2014年01月11日

靖国神社参拝 − 安倍首相のジレンマ

 米国から「残念だ」の発言があり揺れた安倍首相の靖国参拝問題も少し落ち着きを取り戻してきたようである。この首相の靖国参拝には難しい問題が含まれているような気がする。
 まず国内問題としてみれば、首相の靖国参拝は当然のこととなる。つまり靖国には国のために戦って亡くなった方々が祭られているからである。国のためとは政府軍(官軍)として戦うことである。
 一方の国際問題、特に中国との関係を念頭に置いてみれば話は変わってくる。例えば防空識別圏問題である。日本の防空識別圏は実は第2次世界大戦後GHQによって設定された。その事実と、同じくGHQによって戦犯として裁かれた方々を祭ってある靖国へ首相が参拝することとは、果して整合がとれるのか。そんな批判が新たに防空識別圏を設定した中国などから聞こえてくる?
 首相にはこのジレンマをうまく解決することが求められる。すなわち日本の防空識別圏設定の正当性と首相の靖国参拝の正当性とを同時に主張できる論拠である。さもなければ首相の靖国参拝を巡る問題はいつまでも続くことになる。

日本シンクタンクアカデミー
http://www.npo-jtta.jp/

 


posted by 岡本憲之 at 13:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月06日

株高を支える実質金利 − 国債を支える日銀

 異次元の緩和は日本の実質金利をマイナスに押し下げた。実質マイナス金利の国債を保有していても、実質的には損が生じる計算となる。かくして民間銀行などの資金は株式などに振り向けられ、最近の株高がもたらされた。そして民間銀行などの資金が国債から離れた分、その穴を埋めるのも日銀の資金が頼りとなる。そこで日銀は異次元の緩和を続けることになる。この循環が安定的に回っている間は国債は買い支えられ、国債の暴落すなわち金利の急騰はないであろう。
 一方の日銀であるが、実質マイナス金利が続けば保有する資産の価値は下がる。つまり日銀の実質価値が下がると考えられ、そのことが日銀が刷る円札の価値を引き下げることになる。ただし、それによって為替がすぐ円安になるかどうかはわからない。為替は他国の実質金利との相対的な関係で決まるからである。
 異次元の緩和前の日本の金融政策は、日本の実質金利の他国との差を無視し続けてきた。実は日本の実質金利は欧米に比べ突出して高かったのである。その結果としてもたらされたのが超円高である。異次元の緩和前の日銀は、これ以上の低金利政策を行うのは難しいと言い続けてきた。しかし実際には他国と比べ高い実質金利を放置することによって、日銀の実質価値は向上したかもしれないが、超円高を通じて日本経済を苦しめてきたのだ。
 日銀という日本の中央銀行にとって重要なことは、日銀のための金融政策ではなく、日本のための金融政策とは何かを考えることである。今回の異次元緩和によって日銀は、日銀のための日銀ではなく、日本のための日銀に向けた第一歩を踏み出したと言えるかもしれない。

日本シンクタンクアカデミー
http://www.npo-jtta.jp/
 
posted by 岡本憲之 at 10:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月02日

中国発の金融危機は来るか?

 中国ではいわゆる「理財商品」を扱う「影の銀行」の問題が燻っている。そう言えば2008年のリーマンショック前、同じような問題があった。所は中国ではなく欧米においてである。当時、「ストラクチャード・インベストメント・ビークル」(=SIV)と呼ばれ、長短金利差に着目して利鞘を稼ぐ特殊な形態の資産運用会社があった。これは欧米の金融機関やヘッジファンドが投資目的に、連結対象外の運用組織である特別目的会社として設立したものである。
 その仕組みは、資産担保コマーシャルペーパーなどで資金を集め、それを不動産融資担保証券や債務担保証券などで運用して収益を上げるというもので、証券化商品で積極的な運用をする特別ファンドに近い。一般に高レバレッジと短期資金で長期資産に投資するというスキーム(低金利の短期資金を調達して高金利の長期金融商品に投資して利鞘を稼ぐ)に特徴があり、2008年の世界的な金融危機の際には、多くのSIVが一時資金繰りの問題から危機に陥ったり破綻したりした。
 中国の「影の銀行」が扱う「理財商品」が、欧米の「SIV」が扱う「証券化商品」に対応するといった単純なアナロジーが成り立つとは言えない。また将来、中国発金融危機が起きるかどうかもわからない。市場経済を導入していると言っても、社会主義の中国では危機を封じ込める手段があるかもしれない。しかし、成長を続ける中国経済から目が離せないときが当分の間続くことだけは確かである。

日本シンクタンクアカデミー
http://www.npo-jtta.jp/
posted by 岡本憲之 at 12:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月01日

アベノミクス − 引き締めに転ずるタイミングは慎重に

 アベノミクスの短期的な効果をもたらしたのは、日銀による異次元の緩和であることは明らかである。もちろん長期的には副作用を指摘する向きも多いが、今は短期的な話に的を絞って考えることにする。
 アベノミクスの効果をさらに確実なものにするために次に必要とされること、それは為替が再び円高に戻らないという確信である。日本の産業界がそれを確信したとき、生産拠点が日本に戻ってくる。そして雇用と賃金の上昇も戻ってくる。今はまだ疑心暗鬼が残っている状態である。いつまた円高になるかもしれないという疑心暗鬼である。
 そこで重要なのは、日銀が安易な引き締めに転じないことを宣言することである。過去において日銀はことごとく引き締めのタイミングを間違えてきた。軽率な金融の引き締めは避けなければならない。今後の少子高齢化と人口減少の進展を考えると、需要が供給を大幅に上回る可能性、すなわちハイパーインフレが起きる可能性は低い。
 仮に物価がインフレ目標の2%に近づいてきた場合でも、焦らず慎重に緩和からの出口を探すことが肝要である。そして今度こそ過ちを犯さず、日銀の真骨頂を見せてほしいものである。

日本シンクタンクアカデミー
http://www.npo-jtta.jp/
 
 
posted by 岡本憲之 at 20:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月31日

2013年、アベノミクス・マーケット − 円安と株高が見事に相関

 2013年の日本のマーケットは、アベノミクスで始まりアベノミクスで終わった感がある。そしてアベノミクス効果が最も典型的にあらわれたのが、為替市場と株式市場である。円安と株高が進み、しかも両者は極めて高い相関を示したのである。すなわち円安が進むと株高が進む。株高が進むと円安が進む。まさに鶏と卵の関係であった。
 この関係が2014年も続くかどうか断定はできないが、異次元の緩和が続く限り円安と株高の相関は続きそうな気がする。ズバリ、為替が2006年〜2007年頃の水準である、1ドル120円程度になるまでは両者の相関関係は続くのではないか。
 ただし世の中何が起きるかわからない。仮に2008年のリーマンショックのような事態がマーケットを襲えば、円安と株高の心地よい関係は一気に崩れるだろう。その震源地がどこの国になるかもわからない。再び米国なのか。それともユーロ圏か。あるいは中国か。
 いずれにしても暗い来年を予想したくはない。したがって、とりあえず来年もアベノミクス効果が続くことを、半ば祈りを込めて自分の予想としたい。

日本シンクタンクアカデミー
http://www.npo-jtta.jp/

 
 
posted by 岡本憲之 at 19:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月28日

ヘルスケアポイント制度の導入に期待

 高齢化で医療費や介護費は増え続けている。国の財政状況を考えると、その削減が急務なのは言うまでもない。高齢になっても病気にならないことが最も望ましい解決策である。仮に病気になっても、なるべく重症化しないことも費用を抑えるのに有効である。
 つまり理想を言えば誰もがPPK、すなわちピンピンコロリでお亡くなりになることが望まれる。どうすればより多くの高齢者をPPKに導くことができるのか。そのための方策が検討され始めている。
 ヘルスケアポイント制度の導入もその一つ。毎日必要な歩数を歩く、毎日健康体操をする、・・・など、保健のメニューを実行した場合、ヘルスケアポイントがもらえる。そして一定のポイントを貯めると健康保険料などが割り引かれる。そんな保健活動のインセンティブを与える制度である。
 より多くの地域(コミュニティ)で様々なヘルスケアポイント制度が検討され導入されることが望まれる。そのための議員連盟も立ち上がった。通称「ヘルス&コミュニティ議連」である。これらの取り組みが日本全体に普及し医療費や介護費の抑制につながることを期待したい。

日本シンクタンクアカデミー
http://www.npo-jtta.jp/


 
posted by 岡本憲之 at 19:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月27日

「日米VS中国」と「戦勝国VS敗戦国」との綱引き

 首相の靖国参拝に対して国際社会からも予想外の声が聞こえてきた。今回はロシア、EU、米国からも批判の声が届いている。そこに中国の戦略が透けて見えるような気がした。
 言うまでもなく東シナ海を巡る日本の対中国戦略の基本は日米同盟である。中国は日米の関係にくさびを打ち込もうとしていることは明らかだが、問題はその戦略である。
 日本が「日米VS中国」の構図を描いているのに対して、中国は第2次世界大戦の「戦勝国VS敗戦国」の構図に持ち込もうとしているのではないか。邪推ではあるが、今回の安倍首相の靖国参拝に対する国際社会からの批判の声、実は中国の根回しがあったのではないかと疑いたくなる。
 日米同盟は本当に盤石なのか。中国の切り崩しの罠にはまっていないのか。今や靖国参拝は、日本と中韓だけの問題ではなくなってきた。先の大戦における戦勝国と敗戦国という枠組みに置き換えようとする、中国の大きな戦略があることを認識しなければならないのではないか。
 首相の靖国参拝は日本の国内問題では済まされない。今や国際戦略の中での重要な意味を持ってきていることだけは確かである。

日本シンクタンクアカデミー
http://www.npo-jtta.jp/
posted by 岡本憲之 at 08:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月24日

金融政策 − 安倍首相はハト派?

 このところの為替相場は比較的円安傾向で安定している。2008年のリーマンショック以降、何か経済的不安があると、為替相場は必ず円高方向に振れてきた。その現象が修正されたといえる。要因は日銀による大胆な金融緩和であることは明らかだ。
 ところで国の安全保障に対する姿勢が「積極的」か「慎重」かによって、しばしば「タカ派」と「ハト派」に色分けされる。
 安倍首相の安全保障に対する姿勢、あくまで感覚的なものではあるが、政権が掲げる積極的平和主義などをみて、「タカ派」ととらえる向きは多いようである。
 一方の金融政策に対する姿勢であるが、緩和に「積極的」か「慎重」かによって、今度は逆に「ハト派」と「タカ派」に色分けされる。つまり安倍首相の金融政策に対する姿勢は「ハト派」ということなる。
 安全保障では「タカ派」、金融政策では「ハト派」の安倍首相、さて今後の行方は?

日本シンクタンクアカデミー
http://www.npo-jtta.jp/
posted by 岡本憲之 at 07:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月21日

元気な高齢者は次世代の応援団になろう

 高齢化が進むと高齢者に注目が集まるのは仕方がない。しかし、いつの時代でも高齢者は主役ではない。高齢者はあくまで脇役で、主役は次世代である。このことを認識していない高齢者が多いのは情けないことである。
 もちろん異論があるかもしれないが、高齢者は次世代の応援団であるという意識を持つべきである。応援の仕方は色々考えられる。1つは、高齢化に伴って増大する次世代の負担を軽くする役割である。例えば、元気な高齢者は虚弱高齢者のケアや次世代の子育て支援などに参加し、次世代の負担を軽くすることができる。あるいは高齢者は自らの経験や技能などを次世代に伝えることもできる。さらに、高齢者は現役世代の仕事を手助けする補完的役割を果たせるかもしれない。
 いずれにしても、いつまでも「自分が主役」にこだわるべきではない。元社長、元常務、元部長・・・の言葉が出てくるのは、主役にこだわっている証拠ではないか。名刺から元を削除し、今できることを考えよう。何をすれば次世代を応援できるかを! 

日本シンクタンクアカデミー
http://www.npo-jtta.jp/
posted by 岡本憲之 at 11:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月19日

安心社会から信頼社会へ − 日本アカデメイアの提言に思う

 産官学労の幹部でつくる政策提言機関「アカデメイア」がまとめた長期ビジョンでは、「安心社会」から「信頼社会」への脱皮を掲げている。そこでは、「信頼社会」を「責任やリスクもお互いに分かち合う社会」としているのに対し、「安心社会」を「顔見知りの集団や価値観に安住する社会」としている。
 つまり長期ビジョンで言っている「安心社会」を別の言葉で表現すると、いわゆる「村社会」ということになるのではないか。村のおきてに従うことを求め改革を嫌う。発展を犠牲にしても村の既得権益を守ることを優先する。そんな「村社会」のことである。
 日本には多くの「村社会」が存在する。極端な言い方をすれば、「村社会」の集合体のようにも見える。大きな「農協村」「医療村」「電力村」「労働組合村」「金融村」・・・から町内会のような小さな村まで様々である。
 それらの村は従来の価値観を打ち破り新たな社会づくりに挑戦する者を村八分にする。仕方なく挑戦者は新天地を求めて村を出ていく。そしてその多くは挫折していく。これでは未来は見えてこない。高齢化が急速に進む今こそ、新たな社会づくりというリスクへの挑戦が必要である。全く新たな発想が求められる。それなくして来るべき超高齢未来は乗り切れない。
 声を大にして言いたい。勇気ある挑戦者を応援しよう。挑戦者を皆で支えよう。さもなければ「村社会」は「安心社会」ではなく、それこそ「悲惨な社会」になってしまうであろう。

日本シンクタンクアカデミー
http://www.npo-jtta.jp/
 
posted by 岡本憲之 at 14:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月15日

定年退職後の働き方は「プチ」がキーワード

 団塊世代が定年退職年齢の65歳に到達し始めてから2年目の2013年も終わろうとしている。今、団塊世代は何をしているのだろうか?・・・・・とじこもって、社会参加のため地域などに出てくることは少ないとの噂がもっぱら。
 最初は元気な高齢者でも、とじこもっていると生活不活発病などに陥り病弱になっていくピッチが速まるとの報告も。その予防には働くのが一番。と言っても現役時代のように猛烈に働くことではない。ゆとりを持って無理なく働くことが肝要。ズバリ、キーワードは「プチ」ではないか。
 例えば「生きがい就労」と言われる働き方が注目されている。週2〜3日、報酬をもらいながら社会や地域に貢献できるような仕事に取り組む。まさに「プチワーク」である。
 また「ナノコーポ」と言われる小さな会社を起こすのも面白い。出資金もわずかでリスクの小さい超ミニ企業である。いわば「プチ起業」だ。
 「プチワーク」にしても「プチ起業」にしても、要は無理のない働き方である。すなわち定年退職後の働き方は「プチ」がキーワードになるのではないか。

日本シンクタンクアカデミー
http://www.npo-jtta.jp/
 
posted by 岡本憲之 at 10:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月13日

投資信託概況(11月中)

 恒例の投資信託概況(11月中)が投資信託協会から発表されている。公募契約型証券投資信託(株式投信、公社債投信)の結果は以下の通り。

設定額 : 8兆 534億円
解約額 : 7兆4656億円
償還額 :     104億円
差引き :    5774億円(資金純増)

11月末純資産総額 79兆6028億円
13年10月末比     1兆4961億円増加(うち、運用等増9187億円)

 012年3〜8月は資金純増が続き、その間合計1兆2381億円の資金純増となったが、9月は135億円の資金純減となった。そして10月は再び資金純増となり、013年5月までの合計で6兆6523億円の資金純増となった。013年6月は233億円の資金純減となったが、7月は再び7753億円の資金純増に転じ、11月までの合計で3兆1216億円の資金純増となった。

日本シンクタンクアカデミー
http://www.npo-jtta.jp/
posted by 岡本憲之 at 19:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月09日

高齢者の就労 − 本当に若者の雇用を奪うのか

 今年4月に改正高年齢者雇用安定法が施行されたこともあって、高齢者の就労に対する関心が高まっている。

 その高年齢者雇用に関しては気になる点がいくつかある。法律の施行で原則65歳までの雇用が企業に義務付けられたが、多くの企業は60歳定年制を崩さず、それ以降は再雇用の形で高年齢者の雇用を継続している。この事実が示していることは、企業にとって本当に必要な職域が高年齢者のために確保されているのではなく、むしろ高年齢者の雇用が福祉雇用の意味合いを帯びている現実ではないか。

 高年齢者の側にも問題がある。再雇用によって、かつての部下が今度は上司になることもある。しかし過去の立場にこだわり、なかなか意識改革ができない高年齢者も多いようである。そのため職場における人間関係がうまくいかなくなり、高年齢者は煙たがられる存在となってしまう。結果として企業の生産性にも悪影響を及ぼすことになる。

 また、高年齢者の雇用が若者の雇用に悪影響を及ぼすとの指摘がある。ただし、この指摘については反論もある。例えば、フランスで過去に行われた高年齢者の退職促進政策が、結果的に若者の就業率向上につながらなかったというデータはしばしば引用されている。

 少子高齢化で悪化する年金財政を考えると、恐らくこれからの高齢者は年金だけで生活するのは難しくなる。高齢者といえども元気なうちは若干でも収入を得るために働くことが普通になるのではないか。そのとき不可欠となるのは、高齢者と若者が雇用に関してウィンウィンの関係を構築することである。

 少子化で若者の人口は減少しており、わが国における労働力不足は深刻になってくる。高齢者と若者が共に労働力となる関係を構築することは不可能ではないはずだ。知恵を出せば、若者の雇用を奪わずに高齢者の雇用を生み出すことは可能なはずである。

 そのための取り組みも始まっている。次世代に知識や技術・技能を引き継ぐ「伝承の仕事」、繁忙期の手助けなど現役世代の仕事を補完する「高齢者派遣」、子育て支援など働く若い夫婦を手助けする「地域ビジネス」、収入は多くないがリスクが少なく若者の雇用も奪わない「ナノコーポ起業」・・・・・いずれも世代間での役割分担を目指した就労である。要は「次の世代のために高齢者ができることは何か」が重要なポイントとなる。

 わが国ではこれまで、入社が単に会社に入る就社になる傾向があった。そのため退職すると、自分は「何ができる」ではなく、「何であった」となってしまう。そうならないためには、行政であれ企業であれ、就職の本来の意味である職に就けるよう従来の制度や慣行を改めるべきである。それによって初めて退職後も働くために必要な知識や技術・技能が身につくことになる。つまり自分は「部長だった」ではなく、「何ができる」となるのである。

日本シンクタンクアカデミー
http://www.npo-jtta.jp/
posted by 岡本憲之 at 11:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月27日

「村社会」と日本人

 日本には様々な「村社会」と呼ばれる集合体がある。例えば、政治の世界では「永田町村」、官僚の世界では「霞が関村」、農業の世界では「農協村」など。その他にも例の「原子力村」や、また大企業ごとに「企業村」が形成されている。
 それぞれの「村社会」は、せいぜい数百人規模の主軸メンバーを中心に構成されており、自分たちの村の権益を守ろうとする。ただし、各村が置かれている位置によって、その影響が及ぶ範囲が異なってくる。
 例えば、「永田町村」や「霞が関村」であれば、その行動の影響は日本全体に及ぶ。「企業村」であれば、その影響は従業員や家族に及ぶと言った具合である。
 日本人は、通常どこかの「村社会」に属している。中にはこれら「村社会」を巧みに渡り歩く者もいるだろう。しかし多くの場合、1つの「村社会」に属したら、概ねその村の範囲で一生を過ごす。村から出るときは現役引退である。定年退職で「企業村」を出る場合などはその典型である。
 田舎の農家のような本当の「村社会」の場合は、一生その村から出ることはない。したがって村から出るときは、すなわち亡くなる時である。
 サラリーマンの場合、「企業村」を出ると、次に自分が属する村を見つけるのが難しい。「地域村」にうまく溶け込めれば良いが、そうでなければ自分が属するのは家庭という社会の最小単位となる。そして最後は孤独なお一人様となってしまうかもしれない。
 こう考えてくると大切なことは、現役を引退した後も自分が属する「村社会」が存在することである。「地域村」だけではなく、引退後も所属できる様々な「村社会」をつくっていかなければならない。それこそが超高齢社会を迎える日本における喫緊の課題である。

日本シンクタンクアカデミー
http://www.npo-jtta.jp/
posted by 岡本憲之 at 09:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月24日

給付型社会から参加型社会へ−超高齢社会を乗り切る決め手

 世の中には現在と将来の間に限界点(ティッピングポイント)が存在する問題がある。例えば地球温暖化問題など。このまま温室効果ガスが増加し続ければ、地球はどこかの時点で不可逆的な変化を起こす。それが人類に与える影響は計り知れない。したがって今からエネルギー選択やライフスタイルを変えていかなければ取り返しのつかないことになる。
 高齢化問題も同じである。引退高齢者に年金や医療などの社会保障給付を支出し続ければ、国家財政はいつか不可逆的な限界を迎える。そして財政破たんは多くの人々をより不幸にする。そこで将来の悲劇を回避するために、今から行動を変えていかなければならない。
 持続可能な社会保障を実現する方法、それは現在の給付中心の社会を参加中心の社会に変えていくことではないか。就労など高齢者の社会参加を促す。高齢者も元気なうちは、支えられる立場から社会を支える側に回る。まさに生涯現役社会の実現こそが持続可能な社会保障を可能にする。
 しかし言うは易く行うは難しである。生涯現役社会を実現するには、国民一人一人が意識だけではなく行動を変えていかなければならない。国民の行動が政治的圧力となって政府の政策変更を促す。また市場メカニズムを通じて産業界を変えていく。それによって始めて、高齢社会が給付型社会から参加型社会に変わっていくことになる。

日本シンクタンクアカデミー
http://www.npo-jtta.jp/
posted by 岡本憲之 at 09:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月20日

シェアリングエコノミーと高齢社会

 最近、シェアリングエコノミーとかシェアリングビジネスなどという言葉を耳にするようになった。財やサービスを複数の人達でシェアする方式である。
 例えば移動手段としての車や自転車を、自分のものとして独占的に所有するのではなく、複数の人達の間で必要な時に必要な人が使い回すといった具合に、文字通りシェアするのである。近頃では車や自転車以外にも、様々な物品やサービスまで複数の人達の間でシェアするようになってきた。そのような仕組みが確立されると、まさにシェアリングエコノミーの時代到来である。
 そもそも物品を自分だけが使うためにお金を払って所有することは無駄が多い。使いたいときに、使う分だけのお金を払って使えばよい。使っていないときは他の人が使えばよい。そんなシェアリングの仕組みは合理的である。
 高齢社会では、高齢者のための様々な財やサービスが必要になる。しかし年金生活の高齢者には、すべてを購入する余裕はない。かといって少子化もあって、社会保障で賄うほど国家財政にも余裕はない。そんな高齢社会では、このシェアリングサービスを利用すれば効率的である。まさにシェアリングエコノミーは、高齢社会と親和的である。

日本シンクタンク・アカデミー
http://www.npo-jtta.jp/
posted by 岡本憲之 at 08:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月17日

「高活ビズ起業塾 ナノコーポのすすめ」第6回セミナーのご案内

今日は、一般社団法人高齢者活躍支援協議会(以下、高活協)が昨年から始めた「高活ビズ起業塾 ナノコーポのすすめ」のご案内をさせて頂きます。
 高活ビズ起業塾では、リスクの小さな小規模ビジネスである「ナノコーポ」という新たな形で高齢者が起業する働き方を提案しています。
 今回は、FC、代理店などの選び方の紹介のほか、シニア層を対象に起業した責任者や代理店ビジネスの担当者の方々に具体的なビジネスモデルの紹介や起業する際の留意点などをお話し頂きます。

−第6回セミナーの内容は以下の通り−

●題 目:第6回高活ビズ起業塾 「開業コンサルティング・FC、代理店などの選び方」
●期 日:平成25年12月7日(土) 13:00〜17:00
●講 師:
◇FC、代理店などの選び方 高活協理事 上田信一郎さん
◇株式会社 かじワン  代表取締役 有我 昌時さん
 福祉・介護等のソーシャル事業への架け橋に、「家事代行サービス・かじワン」
◇株式会社 高年社60 代表取締役 小松 剛之さん
 気力・体力・知力のある方に働く場と生きがいを、高年者専門の人材派遣
 高齢者専門のジョブカフェ「シニアキャリアサポートセンター」を開設
◇FC(外資系保険)代理店の責任者 (交渉中)
 *都合により講師を変更する場合があります。
●会 場:女性就業支援センター(4階 第1セミナー室)
 東京都港区芝5-35-3 TEL.03-5444-4151 ・JR「田町駅」三田口より徒歩3分)
●受講料: 2,500円   
●定 員: 35名
●お申し込み・お問合せ先:
 一般社団法人高齢者活躍支援協議会(セミナー事務局)
 info@jcasca.org TEL.03-3256-7521 FAX.03-5295-3855

日本シンクタンク・アカデミー
http://www.npo-jtta.jp/
posted by 岡本憲之 at 09:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月15日

投資信託概況(10月中)

 恒例の投資信託概況(10月中)が投資信託協会から発表されている。公募契約型証券投資信託(株式投信、公社債投信)の結果は以下の通り。

設定額 : 7兆8717億円
解約額 : 7兆4814億円
償還額 :     275億円
差引き :    3628億円(資金純増)

10月末純資産総額 78兆1067億円
13年09月末比     1兆2999億円増加(うち、運用等増9371億円)

 012年3〜8月は資金純増が続き、その間合計1兆2381億円の資金純増となったが、9月は135億円の資金純減となった。そして10月は再び資金純増となり、013年5月までの合計で6兆6523億円の資金純増となった。013年6月は233億円の資金純減となったが、7月は再び7753億円の資金純増に転じ、10月までの合計で2兆5442億円の資金純増となった。

日本シンクタンク・アカデミー
http://www.npo-jtta.jp/
posted by 岡本憲之 at 08:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月11日

高齢社会の生活スタイルを確立して輸出しよう

 今日のNHKクローズアップ現代でも取り上げていたが、最近の動きとして日本の生活スタイルを新興国などに輸出する事例が増えているという。スーパー銭湯、弁当や給食・・・など、衛生管理等のノウハウを武器にした日本型サービスの輸出である。
 ここで1つ提案がある。それは、いち早く超高齢社会を迎える日本において、高齢化対応型の新たな生活スタイルとサービスを開発し確立すること。そして、日本を追いかけるように高齢化が進むアジアの新興国などに、日本の高齢社会生活スタイルを輸出することである。
 それによって、高齢化対応の街づくりなど国内における需要を喚起するだけではない。そのサービスやノウハウ等を海外に輸出することによって、外需を取り込むこともできる。結果として持続可能な活力ある高齢社会を実現できるのではないか。

日本シンクタンク・アカデミー
http://www.npo-jtta.jp/
 
 
posted by 岡本憲之 at 21:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月09日

誤表示と偽装表示

 最近、有名ホテルチェーンのレストランなどで、実際と異なる食材の表示が問題になっている。事実が発覚するたびに、幹部によるお詫びの場面がテレビなどで報道される。そして、お詫び会見では苦しい弁明が目立つ。いわく、意図してやったものではなく、誤って表示してしまったのだと。
 実は、誤って表示したか意図して表示したかでは、報道する側でも言葉の使い方が異なる。すなわち前者の場合は「誤表示」、後者の場合は「偽装表示」となる。そう思いたくはないが、仮に異なる食材であることを認識していながら表示をしていたとなると、これは立派な「偽装表示」である。一流レストランのブランドが地に落ちる行為である。
 一流を求める消費者はブランドを信じて夢を買いに来る。その夢を壊すようではもはや一流ブランドとは言い難い。車や冷蔵庫のような物品の偽装は難しいが、食材なら食べてしまえばわからないだろうなどと考えていたとしたら言語道断はなはだしい。関係業界には猛省を促したい。

日本シンクタンク・アカデミー
http://www.npo-jtta.jp/
 
posted by 岡本憲之 at 11:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。