ECBの政策金利に関しては、これまでドイツの影響力が強かった。そのドイツはいわゆるタカ派といわれ、日銀と同様インフレに対する警戒感が強く、利下げには慎重な姿勢を示す傾向があった。しかし長引く欧州危機を前にして、さすがに利下げに踏み切らざるを得なかったのであろう。危機救済のための過大な負担を負わされるよりましということか。
同じ日、中国人民銀行も6月に続いて利下げを行い、英中央銀行は量的緩和枠を拡大した。それに比べ日銀は、相変わらず金融緩和には消極的のようである。経済が持ち直していることをしきりに強調するのは、次回の金融政策決定会合において追加の緩和を回避するための布石なのか。
消費増税が決定されようとしている今、円高デフレは命取りにもなりかねない。経済の持ち直し云々はともあれ、日銀は必要以上に金融緩和に慎重になることがあってはならない。
日本シンクタンク・アカデミー
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