確かにサブプライム問題が顕在化し、米国経済が減速してきたにもかかわらず、新興国経済は健闘を続けた。その「デカップリング論」がここにきてにわかに怪しくなってきた。
2008年6月末の新興各国の株式市場、6ヶ月前に比べて軒並み下落している。中国(−33.7%)、インド(−40.2%)をはじめ、ベトナム、タイ、インドネシア、マレーシアなどアジアの新興国を中心に大きく値を下げている。その最大の要因はインフレである。原油や穀物など商品価格の高騰が、新興国に深刻なインフレをもたらし始めている。
2008年5月末の消費者物価を1年前と比べると、ベトナムの25.2%を筆頭に、インド(7.8%)、中国(7.7%)、タイ(7.6%)など大幅に上昇している。
グローバル化によって新興各国は資本市場に本格的に参入、成長を謳歌してきた。しかしその成長に黄色信号を灯したのは、米国経済の減速ではなく、新興国自身の経済成長であった。今回の新興国の株価下落、原油など資源国とその消費国の間で明暗が分かれた。ブラジル株は6ヶ月前より8.8%上昇、ロシアも3.1%の下落にとどまっている。
つまり中国やインドなど巨大な人口を抱える新興経済成長国に突きつけられたのは、原油など世界の資源は有限であるという事実だ。地球温暖化問題は、今すぐには危機が顕在化しない。その意味では有限な地球からの緩やかな警告である。しかし原油や食糧資源の不足は、今すぐにでも人類の生存を脅かす。その意味で今回の資源価格高騰問題は、地球は有限であるということに気付かないのに痺れを切らした神が、人類に緊急警告を発しているような気がしてならない。
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